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日本版 arXiv = Jxiv ?

JST が Jxiv (ジェイカイブ)という日本向けのプレプリントサーバーを始める*1ようなのでメモ。
論文は誰でも投稿できるわけではなく research map に登録があるか、ORCID 持つ者に限られるので、基本的には大学や研究機関に所属する研究者に限られます。
基本的にオープンアクセス(誰でも閲覧できる)ので、今後科研費の研究成果はこのあたりに投稿しないといけないような感じになるのかもしれません。
学術論文のプレプリントサーバとしてはコーネル大学が運営しているarXiv.org がよく使われているので、これの日本語版という感じでしょうかね。
† プレプリントとは
研究者でないとわかり辛いかもしれませんが、プレプリントというのは査読(他の研究者による審査)を経ていない論文のことです。というわけで、プレプリント自体は真偽が確かでない論文ということになりますから、科学的な真偽の判断が自分でできない一般の人にはあまり役には立ちません。あくまでプロ用のサービスです。
なんでこのようなものが必要になるかというと、論文は提出してから出版されるまで時間がかかることが多いシステムになっているからです。望月先生の ABC 予想の証明の論文のように査読完了まで 8 年という膨大な時間がかかったという例もあります。分野によって異なると思いますが、工学系では特集号と呼ばれるもので投稿から出版まで最短でも 6 ヶ月以上、通常の投稿の場合には 10 ヶ月くらいはかかっていると思います。
これは、査読者による査読期間が1~3ヶ月ほどあり、論文中に問題点や不明点がある場合には内容について著者に疑問点や問題点について照会し回答を求めた上で改めて査読を行う(条件付採録、照会後判定と呼ばれるもの)になる場合があります。というか、かなりがこの判定になって原稿の改訂(これも1~3ヶ月くらいの期間が与えられることが多いです)が求められるので、結果として採録までに時間がかかることになります。
研究者が自分の専門分野(要は自分が普段から査読を引き受けているような論文)の論文を読む場合には、査読がない論文であっても自分で内容の真偽をある程度判断することができるので、査読プロセスが終わる前(つまり出版前)に論文を読むことができるというメリットが生きてくるということになります。
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