BLOGTIMES
2006/12/24

qmailをSPFに対応させてみる

  qmail  antispam 
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DomainKeysに対応させたついでなので、SPFにも対応させてみました。

SPFとは

SPFはDNSにメールが送信される可能性があるサーバーをあらかじめリストアップしておき、リストにないサーバーからメールが送信されているものをspamとみなす技術です。基本的にはDNSだけの仕組みなのでDomainkeysよりはだいぶシンプルな仕組みになっています。

SPF/SenderIDとひとくくりにされていることが多く、これらは互換性もあるようですが、技術としては別のもののよう*1です。SenderIDについてはMicrosoftが推進しており、Microsoftにも専用のウェブサイト「Sender ID リソース」が開設されています。

Yahoo!Mailも対応している

Yahoo!メールが送信ドメイン認証技術「SPF」に対応

ヤフーは12日、メールサービス「Yahoo!メール」に送信ドメイン認証技術「SPF(Sender Policy Framework)」をを導入したと発表した。

ちょっと乗り遅れているので良くわからないのですが、Yahoo!とMicrosoftがだいぶ主導権争いをしていたようですが、どちらも一長一短の技術なので、結局両方使われる流れになっているのでしょうか。

送信側の対応

送信側はDNSサーバーにポリシーを書き込むだけで対応は完了なので、DomainKeysと比べると対応はかなり楽です。ポリシー生成もMicrosoftのSender ID Framework SPF Record Wizardや、openspf.orgのThe SPF Setup Wizardを使うと簡単に生成できます。

受信側の対応

受信側については受信時にDNSを参照して、ポリシーを確認する必要があるのでMTA側を変更する必要があります。

qmail用のパッチはSPF implementation for qmailで公開されています。

ここで恒例のFAILEDがたくさん出るpatch当てをやろうとしたんですが、patchが「もうあたってるよ」と文句を言うのでそんなバカなと思いながらも調べてみると、もうすでにパッチがあたっていました。どうやら、使っているLarge Qmail Patch for Netqmail with Vpopmailにすでにpatchが取り込まれていたというオチでした。

Gmail宛てにメールを送って試してみたところ下記のようなヘッダが付加されていました。

Received-SPF: pass (google.com: domain of #####@cles.jp designates 210.188.204.98 as permitted sender)

また、後述するパッチを当てている場合には下記のようなヘッダが付加されるようです。

Received-SPF: pass (silesia.cles.net: SPF record at _spf.google.com designates 66.249.92.168 as permitted sender)

設定してみる

とりあえず、control/spfbehaviorというファイルに1を書き込みます。
この数字を書き換えることにより挙動が変化します。

qmail SPF (Sender Policy Framework) patch

# 0: Never do SPF lookups, don t create Received-SPF headers
# 1: Only create Received-SPF headers, never block
# 2: Use temporary errors when you have DNS lookup problems
# 3: Reject mails when SPF resolves to fail (deny)
# 4: Reject mails when SPF resolves to softfail
# 5: Reject mails when SPF resolves to neutral
# 6: Reject mails when SPF does not resolve to pass

あまり厳しくするとメールが受信できなくなるので、しばらく1で様子をみて、2もしくは3にレベルを上げていくという運用になるのではないかと思います。

  • *1: openspf.orgのSPF vs Sender IDというドキュメントに「SPF and Sender ID are not the same.」と書いてある。

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