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2010/02/02

科学者の目、科学者の心
研究者として僕よりずっと先輩であるkatsumiさんが書いている「情報を批判的な目で評価する」というエントリをとても興味深く読みました。
以下は僕のちょっとしたメモなので、興味があれば是非実際のエントリを読んでみてください。
Jeans & Development 情報を批判的な目で評価する
生物学は物理学や化学と比べて、実験結果がすこしあいまいなところが有ります。物理学や化学では研究結果が結論と一対一対応することが多いと思いますが、生物学ではそうはいかない場合がほとんどです。『おそらくこうなっているのだろう』『それは考えにくい』といった、少しあいまいさの残る事柄の積み重ねで、『これは間違いない』という結論を出そうという傾向があります。
普段は専門の違う人と会う事もないので、専門の違いによる考え方の違いみたいなものが分かるのも面白いです。僕の専門はソフトウェア工学なので、理学に属する物理学や化学、生物学よりも、結論の曖昧さは比較にならないくらい大きいと思います。工学の場合は「それは何の役に立つの?」という部分がかなり重要になるのですが、そのような結論はは多数の要素が複雑に絡まり合ってできている場合が多く、1つの論文はそれを導くための部分集合であったり、その選択肢の1つであることが多いです。なので、研究結果が結論と一対一対応するということはまずありません。僕の場合は「初心者がポインタを理解するにはどうしたらいいか?」のようなことを年中考えています。
Jeans & Development 情報を批判的な目で評価する
あるいは、そういった情報が真実かどうかを確認できる立場にある人間が、自己の利益だけを考えて、そういった確認をせずに情報を鵜呑みにして第三者に伝えるということも、あってはならないと考えます。このような、情報を第三者に伝える立場の人たちは、得られた情報のうち自分達に都合の良いものだけをピックアップして取り上げるといったことも、慎まなければなりません。このことは、以前の記事でも紹介したとおりです。公表する情報がすべて正しくても、どれを取り上げてどれを取り上げないかを意図的に行えば、ありもしない結論を構築することができることを、以前に紹介しました。
これについては自分も気を引き締めないといけませんね。工学は役に立つことを常に意識することで成り立っているような部分が少なからずあります。世の中的には「役に立つ=お金になる」が成り立つ場合も多いし、実際にそういう誘惑に満ちています。給料が安いのもあるので、自分自身知らず知らずのうちに、ついついそういう方に目がいきがちになってしまうのですが、そのあたりは初心に戻らないといけないなぁ。
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