BLOGTIMES
2006/09/30

コミッタとは

  opensource 
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オープンソース開発やソフトウェアについてあまり詳しくない人から「コミッタって何?」と聞かれたので、一応僕のコミッタの定義を書いておきます。あくまで僕の経験に基づく主観なので、プロジェクトによっては実態と異なっているかも知れません。

コミッタの位置づけ

オープンソースのソフトウェアは、その名の通りソースコードが公開されているので、ユーザーとしてプロダクトを使うことは勿論のこと、その気になれば勝手に改造することも自由にできますが、自分の意思を直接的にプロダクトに反映できるのがコミッタです。そういう意味ではプロダクトのユーザーを代表する人で、なおかつ開発の中心メンバーと言うこともできるでしょう。

開発者は一度はコミッタの夢を見る?

自分がソフトウェア開発者であって、オープンソースのプロダクトを使っている人ならば、一度はコミッタの夢を見るものです。実際、自分もそんな開発者の一人でした。だからこそ、こんな若輩に務まるかどうかとかなりビビっているわけです。

コミッタの権限

コミッタはプロダクトを管理している団体に公式に開発者として認められ、公式なリポジトリ*1への変更権限が与えられています

管理団体のポリシーによっては、開発方針や問題処理に関する会議での投票権が付与される場合もありますし、大きなプロダクトになると、コミッタにも階級のようなものが設けられていて、その職掌が詳細に定められている場合もあります。

コミッタの由来

リポジトリに対して変更を行うことをコミットと呼ぶので、コミットする権限がある人という意味でコミッタと呼ばれています。

コミッタの責任

コミッタにはリポジトリを変更する権限がありますが、その権限の行使が無制限に認められているわけではありません。

コミッタは言わば代議員なので、自分の意見だけでなく、他の開発者やユーザーの意見に耳を傾け、問題点について議論をし、プロダクトに関しての説明責任を果たし、プロダクトが全体として良くなるように導くことが要求されます。

それがきちんと行えていないと認められる場合には、管理団体のポリシーによりコミッタ権限を剥奪されることもあります。

コミッタになる方法

コミッタになる方法は、自薦、他薦さまざまな場合があります。フレームの原因になることが多いので、突然掲示板で立候補するようなやり方についてはタブーとされています。

一部の例外を除けば「これから○○を××にしたい」という人がコミッタになることはありません。コミッタになりたい場合には、とにかく人に認められるような改良について手と口を同時に動かし続けることが近道です。

例えばですが、コミッタ以外の人からの改善要求があった場合、それが必要と認められるものはコミッタが報告者に代わってリポジトリに反映することになりますが、その回数が度々になってくるとそのオーバーヘッドが馬鹿にならなくなります。そうするとコミッタの間で「いつも有用な改良を教えてくれるから、あの人をコミッタにすれば、運営が楽になるんじゃない?」という話になるというわけです。

ということで、何にせよ必須となるのは、プロダクトに対して著名な貢献があると(管理団体の中の人を含めて)広く認められることです。

コミッタになるきっかけとなるのは、既にコミッタとなってい人からお誘いが来るのが一般的なケースのようです*2。開発者のメーリングリストがある場合にはそこでお誘いがある場合が多く見受けられます。管理団体のポリシーによっては、ある程度の推薦が集まった場合にコミッタとすることが適当であるかどうかについての投票が行われる場合もあります。

  • *1: ソースコードが格納されている倉庫のようなもの。CVSやSubversionを使って構成されている場合が多い。
  • *2: 僕の場合もそうでした。

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