BLOGTIMES
2010/11/30

プログラミングに必要とされる才能

  softwareengineering  言葉  paper 
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ソフトウェア工学の基礎

先日のコンパイラが専門の某先生の特別講義を聞いた際に、Sethi-Ullman algorithの節で、「それよりもかなり前に A.P.Ershov が同じようなアルゴリズムを発表していた」という話を聞いて、妙にこの名前に見覚えがあるので何処で見かけたんだろうと一生懸命探したところ、玉井先生のソフトウェア工学(PDF)にプログラミングに必要とされる才能の話の節でした。

ソフトウェア工学(PDF, pp.10-11)

たとえば1970 年代の初めに,A. P. Ershov は,プログラミングに必要とされる才能として,
 ・第一級の数学者の論理性
 ・エジソンのような工学の才能
 ・銀行員の正確さ
 ・推理作家の発想力
 ・ビジネスマンの実務性
 ・協同作業を厭わず経営的な関心も理解する性向
を挙げている[38].これは「そんなことは無理だ」という反応を期待したものでなく,このような知的挑戦に有能な人材が取り組むよう鼓舞するという意図で言われたものである.

このPDFは公開されているようですが、おそらく右の本の元ネタだと思われます。ソフトウェアを専門にするならこの本は持っていて悪くないと思います。せっかくなので、この部分が原文でどのように書かれているか調べて見たところ、このように書かれていました。

Andrei P. Ershov, "Aesthetics and the human factor in programming," Communications of ACM, Vol. 15, Issue 7, p.502, July 1972.

In his work, the programmer is challenged to combine, with the ability of a first-class mathematician to deal in logical abstractions, a more practical, a more Edisonian talent, enabling him to build useful engines out of zeros and ones, alone. He must join the accuracy of a bank clerk with the acumen of a scout, and to these add the powers of fantasy of an author of detective stories and the sober practicality of a businessman. To top all this off, he must have a taste for collective work and a feeling for the corporate interests of his employer.

原文の方がコンテキストがはっきりしていますね。タイトルもプログラミングの美学と人的要因ということになっていますし。おそらくこれが書かれた 1972 年頃はソフトウェア工学の黎明期だったはずですが、この頃からずっとプログラミングを芸術や職人技のように思われてきたわけですね。これは人月の神話並みに興味深いです。


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