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条件採録が・・・・・
仕事はいろいろと話が進んでいてただでも忙しいところに、条件採録の論文の修正が重なってしまって身動きが取れません*1。どうして山場というのは重なってしまうんでしょうか。
さて、その手の話に詳しくない人も多いと思うので一応補足。
論文というと卒論とか修論とかの学位取得のための学位論文を思い浮かべる人も多いかと思いますが、ここででてきている論文は原著論文という類のものなので論文としての難しさやシステムが根本的に違います。
原著論文とは簡単に言えば学会に投稿する論文のことで、研究のゴールとなるものです。研究者はみんなここを目指して研究します。原著論文が認められると学術論文誌という形で世の中に出版されます。
この論文は投稿したらそれで終わりというわけではなく、専門家による厳しい審査(査読)があり、学術論文誌に掲載されるのはそのような難関をくぐりぬけたものだけです。学術論文誌に掲載されるということはそれだけ権威のあることなのです。
博士の学位を取得するためには、学術論文誌に掲載された自分が筆頭著者である論文が一定数以上*3あり、さらに博士論文を書く必要があります。これが学士や修士と博士が大きく異なるところです。
† 条件採録とは
論文の査読のポイントは大まかに言えば論文の3要素がきちんと押さえられているかということになります。
1.有効性 availability
2.新規性 originality
3.信頼性 reliablity
査読結果は以下のような分類になっていて、条件採録はそのうちのひとつです。
・採録 (accept)
論文として公表できると判断されたもの*4。
・条件採録 (conditional)
修正により採録となる可能性があると判断されたもの
・棄却 (reject)
多少の修正では論文として認められないと判断されたもの。
条件採録や棄却の場合にはその理由が送られてきます。条件採録の場合には条件にしたがってもう一度だけ論文を修正して提出するチャンスが与えられるので、期日までに論文を修正し、採録条件に対する回答書を添えてもう一度論文を提出することができます。それに対して、最終的な採録・不採録が通知されます。
† 参考
科学技術論文の書き方 How to write a scientific paper
- *1: 論文自体は後輩のものなのですが、僕も著者の一人として貢献する必要がでてしまいました
- *2: 僕も最近こういう話を聞いたので、不正確な部分があるかもしれません。
- *3: 基準は大学によって異なっているようです。
- *4: その後、最終的な論文のために軽微な修正はできる
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