BLOGTIMES
2004/03/24

何で失敗することをさせるのか

 
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今日は大学で打ち合わせ。

共同研究は先日のキックオフから一週間、各チームは開発課題を選択して分析プロセスを行っているが、初めて書く要求仕様書やUMLにずいぶんと苦戦を強いられているようだ。

今日は実験に参加しているK君に率直な感想をいろいろと聞いてみたら、厳しい一言が。

K君のコメント

「いまいちモチベーションがあがらないんですよね。だって、自分の現在の知識とか技術だったら絶対成功しそうにないし。」
「何で失敗するようなことをやらされないといけないんですか?」

こういう率直な感想はうれしい。
いわれてみればそうだ。K君の言っていることは、間違っていない。

このように、ぜんぜん動機付けができていないのは、やはり僕の説明のしかたがまずかったんだろう。本実験でこんなことをしてしまったら空中分解チームが大発生だったかも知れない。序盤からこれは大きな反省点だ。

このプロジェクトでやりたいこと

プロジェクトの落とし穴を実験で定量的に分析して論文を書くといういうことは確かにある。

ただ、目的はそれだけではなくて、レビュアー*1によるレビューやプロジェクトの振り返りを実施を通して、個人個人のソフトウェア開発能力を高めたり、チーム活動の中で何らかの気づきを得てもらうという狙いもある*2

僕は先輩、後輩の関係だからといって、研究のために後輩を駒にすることは決して許されるとは思っていない。だから、どんな結末になろうとも、結果的にWin-Winな関係になるようにと当初から頭を捻って計画したことなのだ。

つまり、この演習で成功する、しないということと演習で得られることの間にはなんら相関関係がない*3。そのあたりのことが伝わっていないのは僕のミスだ。

幸いK君とは今日の話で、その点を理解してくれたようで「できるところまで精一杯やりますから、アドバイスをお願いします」といってくれた。その気持ちに応えられるよう、僕も精一杯アドバイスをしたい。彼らには真面目にやる、やらないの選択権があるが、僕にはそれはないのだということを再認識。

  • *1: 先生陣、僕も含めた先輩など
  • *2: この成果が最終的には大学の演習カリキュラムとして取り入れられることになっている
  • *3: まぁ、やってるときの面白さとか、終了時の達成感なんかはだいぶ違うと思うけど

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