BLOGTIMES
2005/05/05

よく考えるということの大切さを教えるには

 
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連休中なのでここぞとばかりに講義資料のつくり溜めをしています。

僕のような素人がなんとかここまで4回ほど講義をしてみたわけですが、目的意識がバラバラの100人超を相手にをするのでするのはさすがにしんどいです。もちろん中には最初から最後まで寝ている人もいれば、隣としゃべりっぱなしの人もいますし、話を聞かずに友達の課題を写して終わりにしようとする人もいますが、これはある意味仕方がないことなのであきらめています*1

内容をよく考えて欲しいのでなるべく例を出さないように内容を解説し、最後に課題を出してその場で解答させています。当然、受講生は困りながらも自分で課題を何とか解いて提出していきます。その内容について、翌週の復習で間違いの例などを出しながら解説するようなパターンにしています。僕の根っこの部分にある考え方をはぶにっきの内容を少しお借りして話をするならばこういうことになると思います。

何故端折るのか - はぶにっき

何をどのように身に付けていくのかをきちんと考えて、一歩ずつ取り組むことでのみ実力は積み上げられます。時間は決して裏切りません。自分の心の怠惰さが時間を裏切るのです。今悩むべきことはきちんと今悩まないといけないのです。見せ掛けの進捗を作るのは時間を裏切っているのと同じ事です。だから後でしっぺ返しを食らうのです。

ところが、こんなやり方をしていると「例がないとわからないので、例を出してください」というリクエストが当然山のように来ます。ところが課題の解答内容はほとんどがよく考えて書かれているものになっているのです。

先日、苦情をそのままにするのはまずいということで、例を出して解説をしてみたところ「今日はよくわかりました」なんていう感想がたくさん来るようにはなったのですが、課題の解答の内容はさんたんたる有様でした。大半が例の部分の文字を書き換えたモノだらけで、よく考えて書きましたというようには到底思えないものばかりになってしまうのです。

はぶさんは学ぶということをこう述べられてますけど、ホントこういうところを上手く表現されているなと思います。

飢えたる者は常に問い、答えの中にはいつも罠 - はぶにっき

考え方を学ぶっていうのは、結果だけを見ても駄目であって、むしろ結果を見たときに「何故こういう結果を出したのだろう。どのようにやったのだろう。何故そういうやり方をしたのだろう」ということを「自分で」考え抜かない限り身につきません。パターンカタログを山ほど集めて丸暗記しても無意味なのはそのためです。

自分も含めてですが、銀の弾丸症候群なんでしょうか。変なところで正解を求めすぎて、正解がないと不安になるという感じです。本当はそれをうまく軌道修正してあげられるような講義にできればいいんでしょうけど、そんなこと今の自分にはかなり無理そうです。

僕が初めてで少し力みすぎなのかもしれませんが、これを如何にして、受講者に伝えるか。難しいですね。

  • *1: もちろん、その原因が僕の未熟さにあることは否定しませんし、「じゃあ、お前現役のときどうだったんだ」といわれると、最前列で居眠りしていたことも多かったので、とても人のことを糾弾できるような立場でなかったというのも確かです。

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平成維新への挑戦 (2005/11/11 07:34) <%HatenaAuth()%>

私も12月の初めてに北海道大学で寄附講座の特別講義を依頼されているのでe-ビジネスや国際XML/EDIについての実業界の事例を交えて講義をすることになっていますが、が学生が60人くらい集まるというのですが果たして実務経年のない人やXMLもよく分からない学生を相手にそれぞれ90分の2講座を最後まで飽きさせないでしかもこれから、社会に出てせっかく習ったITの技術を上手く活用出来る動機付けになるのか心配になってきました。お互いに頑張りましょう。

hsur (2005/11/11 17:37) <%HatenaAuth()%>

30分で13回と細切れだったのでそこそこ緊張感もあったんですが、90分というのはかなり時間がありますから大変ですよね。がんばってください。

私の場合は技術的な本編よりも、余談の方を真剣に聞き入っていた受講生が多かったです(私の場合は学部のときからIT系ベンチャーでアルバイトのプログラマーをやっていましたのでそのあたりの業界話とか、就職活動のポイントとか。)。

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